#10

ドリームレシピブックの秘密

ドリームレシピブックは、これまでのレシピブックとは違いました。

ただ誰かを幸せにする料理を記すだけの本ではありません。
メイプルの料理の腕前と、マフィンのぬいぐるみ星の魔法――星の光のエネルギーと夢のパウダーが合わさってはじめて完成する、ドリームフードを作り、記すための調理書なのです。
どちらか一方だけでは、決して作れないものでした。

ドリームレシピを完成させ、最後に星の光の粉をふりかけると、
お客さんはたった一日だけ、自分の大切なぬいぐるみに会えるようになります。

ずっと忘れていたソウルメイトとの再会。その瞬間、ぬいぐるみは再び生命を取り戻し、お客さんは失っていた童心を取り戻します。メイプルのお店はそうして、ただの食堂ではなく、忘れられたものたちをよみがえらせる場所になっていきました。そしてその日から、お店を訪れるお客さんそれぞれの物語が、ひとつずつ紡がれていきます。

ドリームレシピブックが完成する日、マフィンにも変化が訪れます。
メイプルを少し手伝いに来たぬいぐるみではなく、メイプルの料理を完成させる永遠の厨房パートナーへ。星の決まりにより、メイプルがマフィンを必要とする状態が永久に続くことになり、マフィンにはこの世界に永遠にとどまれる永住権が与えられるのです。

消えてしまうのではなく、永遠に。
マフィンと一緒に紡いでいく奇跡に、ようやく名前がつきました。

これから一緒に紡いでいく物語が始まります。