#09

ドリームレシピブック、登場

隊長が差し出したのは、見慣れない一冊の本でした。
今までのレシピブックとは違いました。それは単に、誰かを幸せにする料理を記録する本ではありません。
メイプルの料理の腕前と、マフィンの人形星の魔法(星明かりエネルギー、夢のパウダー)が組み合わさってこそ完成する、ドリームフードを作り、記録するための料理書だったのです。

どちらか一方だけでは作れないもの。
ドリームレシピを完成させて最後に星明かりの粉を振りかけると、お客さまはたった一日だけ、自分の大切な人形に会えるようになります。
ずっと前に忘れてしまったソウルメイトとの再会。その瞬間、人形はふたたび生命を得て、お客さまは失っていた童心を取り戻します。

そうしてメイプルのお店は、ただの食堂ではなく、忘れられたものをよみがえらせる場所になっていきました。

そしてドリームレシピブックが完成する日、マフィンにも変化が訪れます。
メイプルを少し手伝いに来た人形ではなく、メイプルの料理を完成させるための永遠のキッチンパートナーへ。星のルールによって、メイプルがマフィンを必要とする状態が永遠に続くことになり、マフィンにはこの世界に永遠にとどまれる永住権が与えられたのです。

消滅ではなく、永遠。
マフィンとともに紡いでいく奇跡に、名前がついた瞬間でした。

これから一緒に紡いでいく物語が始まります。